一神教学会は宮内春樹さんを応援しています

一神教学会という宗教団体の目的は、会則の第二条に、「本会は共存型一神教の布教を目的とする」と書かれているとおりですが、これはあくまで、「宗教団体という側面における目的」にすぎません。一神教学会には、宗教団体という側面だけではなく、メタ宗教団体という側面もあります。メタ宗教団体という側面における一神教学会の目的は、地球上の宗教多様性を可能な限り増大させることです。この目的を達成するためには、オリジナルな宗教が次々と新しく作られていくような環境を整備する必要があります。万人教祖主義というメタ教義の布教や、「宗教の作り方」というメタ経典の開発などは、そのような環境を整備しようとする事業です。そして、オリジナルな宗教を作ろうとしている教祖たちに対する個別の応援もまた、宗教多様性を増大させる上で重要な事業として位置づけられます。一神教学会が昨年の11月ごろから開始した宮内春樹さんに対する応援も、そのような事業の一環です。

宮内春樹さんは、昨年の1月25日に創始された「聖久律法会」という宗教の教祖です*1。聖久律法会は、「クルアーン」を聖典とし、「アッラー」と呼ばれる神のみを崇拝の対象とする、イスラーム系の一神教です。一神教学会はこれまでに、聖久律法会に関するリンク集の編纂、「聖久律法会」というウィキペディアの項目の執筆、「聖久律法会」というはてなキーワードの作成などによって、教祖としての彼を応援してきました。これからも、彼に対する応援は可能な限り続いていくことになるでしょう。そして彼のみならず、これから出現するであろう教祖たちもまた、一神教学会によって応援されることになるはずです。

すでに述べたように、メタ宗教団体としての一神教学会の目的は、宗教多様性を増大させることです。この目的を達成する上で、教祖を増やすことは望ましいことですが、信者を増やすことは望ましいことではありません*2。ところが、教祖を個別に応援するという事業は、諸刃の剣となる危険性があります。なぜなら、その教祖に触発されて自分もオリジナルな宗教を作ってみようと思う人々が増えるという望ましい効果が期待できる反面、その教祖が作った宗教をうっかり信じてしまう人々も増えてしまうという望ましからぬ副作用も生じるからです。副作用の発現を最小限に抑えつつ教祖を個別に応援するためにはどうすればよいかというのは、メタ宗教団体としての一神教学会にとって、今後の大きな課題と言えます。

*1:「聖久律法会」という名前は、宮内さんが創始した宗教の名前であるとともに、彼が設立した宗教団体の名前でもあります。

*2:教祖というのも自分が作った宗教を信じている信者の一人ではないのかと疑問に思う人がいるかもしれませんが、自分が作った宗教を自分自身も信じている教祖というのはほとんど存在しないと思われます。そのような教祖兼信者は、精神疾患の疑いが濃厚ですので、精神科医の診察を受ける必要があります。